「人よ 友よ ありがとう」
専門学校健祥会学園第27回卒業証書授与式
2024年3月9日、専門学校健祥会学園で第27回卒業証書授与式が挙行されました。それぞれの専門課程を終え、学び舎を巣立ったのは、介護福祉学科31名、理学療法学科31名、作業療法学科20名、保育学科29名、計111名。学園創立来、世に送り出した専門職は今年度で合計3,277名となりました。
ポストコロナ移行後はじめての式典には、保護者の列席人数の制限は設けず、マスクの着用も個人の判断としました。ご来賓の皆様方にもコロナ以前同様にご列席いただきました。
式典は健祥会グループ常務理事 中村晃子の開会の辞で幕を開け、厳かに111名へ卒業証書と記念品が授与されました。続いて、理事長賞・校長賞・皆勤賞など各種表彰ののち、理事長、校長から保護者の皆様や来賓への感謝の言葉とともに、卒業生の前途を祝して以下の言葉が贈られました。
健祥会グループ理事長 中村太一 告辞(要約・抜粋)
コロナ禍を契機として、社会の隅々にまでデジタル化が波及し、生活スタイルや働き方、価値観の多様化も加速しました。これまでの常識を覆すような大切な気づきや意識の変革ももたらされました。この春の介護報酬改定でもICTの積極的な導入に加算が新設され、皆さんのこれから赴く職場でもデジタルを使いこなす技量が当たり前のこととして求められます。しかし大切なのはデジタルを使いこなすことそのものではなく、デジタルの恩恵のもとによりよいサービスをつくっていくことです。
テクノロジーがいくら進化しようと、介護・医療、教育・保育の分野には、人でなければ担えない大切なものがあります。それは、人としてのあたたかな「こころ」の為す領域であり、デジタル化やICT化が進めば進むほど、「こころ」がより問われることになるのです。どうか、いつのときも想像力を逞しく、「こころ」を使って、目の前の患者様、利用者様、子どもたちに向き合ってください。現場を大切に、現場の声に耳を澄まし、その声を標としてください。
我が国の出生数は過去最低を更新し続け、生産年齢人口の減少により経済や社会保障の持続性が懸念されます。世界に目をやれば多くの難題がひしめいており、まさに未来は予測困難です。この時代を逞しく生き抜いてゆくために必要なのは、既成概念にとらわれることなく自由な発想で革新を生み出す力と、変化を受け入れる柔軟性、そしてそれらを支える確かな専門性です。
本学園での学びによって獲得してきた専門性を、今後は実践の中で磨きながら、内なるイノベーションを続け、常に高みをめざしてください。同時に、専門の殻に閉じこもることなく、社会の中に存在する多様性を知り、認め、常に広い視野に立って感じ、考える人であってください。世界の様々な事象に対して、自分の意見を持てる人であってください。
将来的に多くの職業が、AIもしくはロボットで代替可能になると言われていますが、人に向き合う介護・医療、教育・保育の仕事は、「こころ」と「優しい手」を持つ「人」にしかできない誇り高い仕事であり、「こころ」の為す領域こそが皆さんの真価です。そのことを誇りに、本学園で培った「こころ」と専門性をさらに陶冶しながら、自ら選びとった道を力強く歩んでください。
専門学校健祥会学園校長 武田英二 式辞(要約・抜粋)
皆さんは、コロナ感染症に翻弄された不自由な学園生活の中で、専門職をめざして勉学の苦労を乗り越え、同時に人間性も磨いてこられました。先日の国家試験自己採点では3学科ともほぼ100%の合格が見込まれており、心からお祝いを申し上げます。本日、晴れの日を迎えることができたのは、自分の努力とともにご家族、友だち、教職員など、多くの方々の支援があったことを忘れないでください。
私から3つのメッセージを贈ります。
1つ目。専門職としての自分を磨き続けてください。国家資格取得は専門職としての扉を開いたにすぎず、皆さんにはまだヒトをケアする十分な実力があるわけではありません。最新知識や技術を絶えず修得するように努力するとともに、厳しく指導していただける先輩指導者を見つけてください。そして皆さん自身が後輩にとっての指導者をめざしてください。
2つ目。 社会のことを知ってください。 ウクライナとロシア、イスラエルとパレスチナ、 Al(人工知能)やロボット、日本の経済など、社会の事象に常に関心を寄せていてください。
3つ目。人間にとって最も大切な人生の生きがいを持ち、社会人として正しく正直に生き、他人を避難することなくコツコツと人としての自分を磨いてください。
これらを実践し、友人や家族とともに楽しく充実した人生を築いていってください。
ご来賓を代表し、同窓会会長 舩越稔様より、同じ道をゆく先輩としてのはなむけの言葉をいただきました。続いて在校生代表からの送辞と卒業生代表の答辞が、感動とともに会場を行き交いました。
最後に「人よ 友よ ありがとう」と人生を謳いあげる「舞踏会-健祥会のうた-」にのせて、ステージのスクリーンに大きく映し出された学園生活のメモリー。感動のクライマックスののち、卒業生はたくさんの思い出とお世話になった方々への感謝を胸に、まだ見ぬ道へとそれぞれの一歩を力強く歩み出しました。
今日までの年月、学生たちの成長を支えてくださった保護者の皆様方に敬意と感謝を捧げますとともに、本学園へのご理解ご協力にあらためまして心より御礼申し上げます。また、ご来賓の皆様にはお忙しい中ご臨席賜り、卒業生の門出を祝福いただきましたこと、まことにありがとうございました。