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移乗介助 ~ヒトノオモミ ト ヒカルウデ~ 【理学療法学科】

どうもこんにちは。

先週末は父の日でした。

家族で朝食をとっているとき、何の気無しにでた話題。

「そういえば、今日は父の日やな?」と…

小学生組は、すぐに反応。

紙とペンを持ってきて身を隠すように椅子を机替わりにカキカキ。

手だけが、机上に生えてきて朝食掴んで去って行く。

パン片手に、カキカキ。

牛乳片手に、カキカキ。

頰杖付きつつ、カキカキ。

カキカキ。かきかき。書き書き。_φ(・_・ _φ(・_・

書き上がった手紙は、丁寧に色紙を折って作った封筒に入れて頂戴いたしました。

 

さて、それを見ていた子供園組。

色紙を一枚取って、色鉛筆掴み取り。

紙に押さえつけて、グリグリ。

右へ左へ、上に下に。

グリグリ。ぐりぐり。_φ( ̄ー ̄ )

ポンと渡されたそれは…

楔形文字と、ヒエログリフが混ざりあって、近代芸術のエッセンスを2滴加えたモノでした。

解読には、数年を要すると考えて過ごした父の日の担当です。

 

さて、今回のブログで紹介するのは、『日常生活活動学』の授業の一場面。

テーマは、“床上動作と移乗の介助”です。

※先に申し上げます。今回の担当。大まじめにブログを作成しています。

移乗とは、患者さんのベッドや車椅子への移動を手助けする技術となります。

よく、介護などのイメージでも真っ先に思い浮かべる動作ではないでしょうか。

この移乗という一連の動きは、リハビリテーションの“始まりの運動”であり、医療職にとって基本技術となります。

ただ、移動する“だけ”…ですが! 

皆さんは、ヒトの重さをご存じですか?

例えば、20歳以上の平均体重は男性67.3㎏と発表されています。(2018年統計)

出典:政府統計の総合窓口(e-Stat)(https://www.e-stat.go.jp/)

政府統計の総合窓口 (e-stat.go.jp)

いまいち重さとしては認識しにくいですが、大体300~400ℓぐらいの冷蔵庫や容量7㎏程度のドラム式洗濯機と同様です。

それだけなら、力自慢の方なら楽勝と思われるかもしれません。(担当は、自信がありませんが…)

さて、これだけの重量物である人体を、どのようにしてベッドから起こして車椅子に移乗させることができるでしょうか。

まさに、医療職の腕の見せ所です。

 

最初に、ベッド上で仰臥位(上向き)になっている患者さんを側臥位(横向き)に寝返るように介助します。

横向きにすることで、次の起き上がりの動作介助が誘導しやすくなります。

ポイントとしては、患者さんの身体重量を利用するために、“膝を立てること”がポイントです。

そして、患者さんを手前に引くようにして側臥位に移ります。

この時に、身体全体を一気に動かすよりも、下半身・上半身・頭部に分けて動かすように意識すればより負担なく行えます。

※身体全体を同時に動かそうとすると、結構な負担になるので注意が必要です。

次に、側臥位から起き上がる動作を介助し、ベッド端座位(ベッドの端に座る)になります。

起き上がる動作では、姿勢が大きく変わり重力に逆らった動作になるので患者さんの負担が増加します。

患者さんの体を支えるために介助者は、首や頭を保護します。

安定して、身体を起こすために介助者の力だけではなく、寝返りを介助したように身体重量を利用します。

ベッドから足を降ろすタイミングと、上半身を起すタイミングを合わせます。

そうすることによって、腰やお尻を中心に重量物が移動するので、患者さんと介助者にかかる負担は少なくなります。

患者さんが、ベッドに安定して座ることができたら、状態確認をします。

『ふらつきや気分不良はありませんか?』

『ご自身で座っておくことができますか?』

など、介助者が座っている姿勢を確認しつつ、体調の変化を確認します。

そして、最後に車椅子への移動を介助します。

患者さんの病状や身体状態に合わせて、車椅子の位置決めを行います。

今回は、左半身に麻痺がある想定で移乗の介助を行います。

ここでの、大切なポイントは、患者さんを“どのように支えるか”です。

患者さんの身体をしっかりと固定するように介助する方法が最も安定しているのですが。。。

介助者による過度な保持や衣服の把持は、患者さんの負担増につながるため基本的には避けるべきです。

患者さんへの介助力を維持した状態で、負担を軽減する介助方法の選択が重要です。

これが、実際に行ってみると”激ムズ”です。

『支え過ぎてしまう + 患者さんとのタイミングが合わない』

結果、適度な介助がわからなくなり、服を“少しつまむ”ようになってしまった例

患者さんを移動する“だけ”の行為の裏には。。。

患者さんの状態を正確にとらえ、必要な介助を提供する知識・技術が隠されていました。

シンプルな行為の中に、医療職の腕が光るのでした。。。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

今回は、まじめな担当でお送りいたします。

 

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